「"おせーよ!!
今から探しに行こうと思ってたところだ"
だって。

クリスマスイブに3時間も待たされた挙げ句、探しに行こうとしてたなんて…

帰ろうとは考えてなかったんだよね。

大樹って、素直じゃないというか、何だかんだ約束は必ず守るし、絶対に裏切ったりしない人…」


ち、違う!!
俺は誰も信用しない代わりに、誰とも深く関わらないし、誰に対しても期待なんかしていない。

だから他人との約束なんて、そんな物どうでも良い事なんだ…
そう思っている。



「神様――…
お願いですから、大樹を私の元に返して下さい。
大樹は私にとって、何よりも大切な人です…

お願いします」


隣から聞こえるカナの震える声に、思わず目を伏せた。


カナ…


素直になれなかったのは、俺の方なのかも知れない。


.