元の場所に座ったカナは、自分に言い聞かせる様に頷いた。
「そうだよね、今度は私が待つ番なんだ。
しっかりしないと…」
今度は?
俺が待った様な事があったかな…
カナは両手でコップを持ったまま、身体ごと俺の方を向いた。
「去年のクリスマスイブに、街中で大樹と待ち合わせしていて、思い切り待たせてしまった事があるの。
その頃、近くにあるショッピングモールにある雑貨屋でバイトをしていたんだけど…
クリスマスイブって事もあり、客が思ったよりも大勢来て…
余りの忙しさにオーナーに泣きつかれ、3時間も延長する事になってしまった。
19時の待ち合わせだったのに、私がその場所に着いた時は、もう22時を過ぎていて…」
カナは鼻をグスグスとすすり、声が徐々に鼻にかかってきた。
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