カナは2本目の缶チューハイを飲み干して、既にかなり酔っていた。


そんなカナの様子を見上げていると、カナが俺の方に向いてジッと見詰めた。

何か妙に気まずくて反応に困っていると、カナが抱き付いてきた。


「ダイ、あんたって大樹から名前取ったのに、本当に良い子よね。

大樹は全然私の話なんて聞いてくれなかったけど、ちゃんと聞いてくれるんだね」


何か凄い嫌味に聞こえたが、実際カナの話なんて真剣に聞いた事なんてなかったかも知れない…


カナは俺の胴体に手を回して抱き抱えながら、また話し始めた。

「本当にさ、ダイと違って大樹は酷いの。私の話なんか、全然聞こうとしない。

一緒にいる時も、私が一生懸命話していてもテレビを見ていたり、ゲームをしていたり…

"ああ"だの、"うん"だの、適当な相槌ばかりで全く聞いてない。


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