は、ははは…
今思い出しても酷い言われ様だな。
でも…
カナに自分の事なんて、殆ど話してないのにな。
突然隣でプシッという缶を開ける音がして、俺は我に返った。
上体を起こして横を見ると、アルコールに極端に弱いカナが缶チューハイを片手に座っていた。
俺も滅多にアルコールは口にしないが、カナがアルコールを飲む所を見た事がない…
カナは缶チューハイを一気に口に含むと、そのまま流し込んだ。
「あははは、私が缶チューハイなんて飲んでいる所を見たら、大樹は驚くよね。
ね、ダイ」
俺は一瞬ギクリとして、思わず視線を逸らした。
見る間にカナの顔が真っ赤になり、アルコールが回っていく様子が手に取る様に分かった。
1本目を早々と飲み干すと、冷蔵庫に行き2本目を持って帰って来た。
そして2本目を飲み始め暫くすると、酔いが回ったのか独り言が多くなってきた…
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