何もする事がなく、俺は何年振りかに、ゆっくりと色々な事を考える時間が出来た。
カナが出て行ったのは8時40分位だったが、もう16時を過ぎた…
大学の講義は、15時には終わった筈だ。病院に寄ると言っていたから、もう少し遅くなるのだろうか?
ベッドの上から見える空に悠然と流れる雲を見ていると、様々な事が頭を巡り、そのまま布団の上で眠ってしまった…
どれ程の時間眠っていたのだろうか?
不意に目の前がチカチカと瞬き、驚いて目が覚めた。
「ただいまダイ。
遅くなってごめんね、お腹空いたでしょ?」
カナが帰って来たのか…
ベッドの上から飛び下り、テレビ台の上に置いてあるピンク色の目覚まし時計を見ると、もう18時を過ぎていた。
俺はカナが急いで牛乳を用意する姿を、ジッと足元から見上げた。
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