僕は横に座り、必死に自分が出来る事を考えた。
カナの事が心配で、カナを守りたくて、カナの笑顔を取り戻したくて…
その時――
僕の脳裏に何かが浮かんだ。
ここではない…
どこかもっと狭い場所で、白いベッドに横たわる人。
その人からは、何かよく分からない管が何本も出ていて…
いや逆だ。
この人が、何本もの管に繋がれているんだ。
でも、どうして僕にこの人の姿が見えるんだろう?
ただ僕はカナの事を、一生懸命に考えていただけなのに。
カナの事を…
あ、そうか――!!
この人だ。
口元に変なマスクが取り付けられているから、よく分からなかったけど…
僕を助けてくれたのは、間違いなくこの人だ!!
では、この人が大樹?
僕を助けたばかりに、もう二度と目覚める事がないと言われた人…
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