その時――
グッタリとしていたダイの足が、ピクリと微かに動いた。
そして顔をゆっくりと上げ、俺の頬を流れる涙を舐めた…
「ダイ!!」
「くぅ…ん」
「あは…
あはははっ
心配させるなよな!!」
そんな俺達の姿を、カナは不思議そうに眺めて言った。
「なぜ大樹がダイの事を知ってるの?」
「ん――?」
「大樹!!」
そこに突然ベッドからいなくなった俺を捜して、母親が青ざめた顔で走って来た。
そして、それを追い掛ける様に兄も屋上に上がって来た。
「だ、大樹…」
俺はダイをカナに優しく手渡すと、扉の前で泣き崩れる母親の前に腰を下ろし、そっと肩を抱いた。
「ただいま」
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