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病院の敷地内に入った所で、足の痛みと余りの苦しさにコンクリートの歩道の上に倒れ込んだ。

俺が走ってきた場所には、赤い足跡がついている。


もう限界か…


薄れ行く意識の中で病院の建物を見上げると、5階建の病棟の屋上に人影が見えた。


カナ――…


金網越しに立つ人影は、間違いなくカナだった。

しかも、金網に手を掛け乗り越えようとしている!!



カナ…


俺は最後の力を振り絞り、足を踏ん張った。全身が小刻みに震えるが、まだ走れない訳ではない。

俺は再び走り始めた。



玄関の自動ドアを潜り抜け、階段を1段ずつ跳ぶ様に駆け上がる。

3階まで上がると、体重のかかる後ろ足の感覚が無くなった。
今度は、前足で階段をよじ昇る…



カナ――!!


間に合え…
間に合ってくれ!!


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