カナ――…



「だから…
リセットする事にしたの。

リセットして、私がいなかった世界をもう一度始める…


私がいなければ、何もかも上手くいくでしょ?


ダイは父さんが気に入ってたから、絶対に実家に連れて帰ってくれる。

それまで我慢していてね」



カナはそこまで話すと、ずっと俯いていた顔を上げ…

勢い良く立ち上がると、俺が茫然としている間に部屋を飛び出して行った!!



カナ――!!


慌てて追い掛けたが目の前で扉が閉まり、俺は部屋の中に取り残された。

いくら飛び上がろうと、いくら体当たりをしようと、扉は微動だにしない。


何とかしないと、カナは死ぬつもりだ!!

しかし、いくら焦ったところで仔犬の俺は、この部屋から出る事すら出来ない――


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