カナは一体何の為に大学に来たんだ?
俺を連れて来たという事は、講義は受けないという事か?
暫くその場で教室を見詰めた後、カナは再び歩き始めた。
その足は、キャンパス内でも一番高い場所にある学食を目指している様だった。
キャンパス内の道は両側にポプラが植えられ、並木道になっている。
そのレンガ敷きの道を、カナはゆっくりと進む…
学食はまだ時間が早い為、さぼっている学生以外の姿はなかった。
そう言えば俺も1年生の時、よくここでさぼっていた。
そうそう、この出入口のすぐ横の席で…
「ちょっと待っててね」
カナはいつも俺が座っていた席に俺のリードを結ぶと、外にある自動販売機で飲み物を買ってきた。
「ダイはこれ」
俺の前に、紙コップに入った水が置かれた。
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