カナは笑いながら泣いた。

大粒の涙が止めどなく溢れ、それを拭う手から目の前の布団を濡らす――



知っていたのか…
まさか見られていたなんて、思いもしなかった。

カナは本気でこんな俺の事を…



カナはそのまま疲れて眠るまで、ひたすら泣き続けていた。

その涙の意味を、まだ俺に分かる筈がなかった…


カナは独り…
独りきりで答えが出せるほど、簡単な問題ではなかったんだ。




翌日――


カナが目を覚ましたのは意外に早く、午前7時前だった。

カナはいつも通り大学に行く準備を始め、俺の朝食を用意してくれた。


そして9時前、いつもなら俺に留守番をさせるカナが、今日は大学に一緒に行こうと言った。

ここから大学までは徒歩で15分くらいだし、そんなに遠い場所でもない。


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