カナは俺の頭を撫でていた手で膝を抱え、窓の外を見詰めた。


「本当に偶然だった…

でも、あれを見なかったら大樹を好きになる事なんて、多分なかったと思う。


私ね、大学から帰宅する途中、偶然児童センターから出てくる大樹を見たの。

なぜ児童センターから出てきたのか気になって、事務所に理由を尋ねに行った…


そうしたら大樹、あんなに人間不信で他人に無関心なくせに、交通事故や病気で長期入院した子供達のカウンセリグの手伝いをしてるって。

本当に馬鹿だよね。

自分は立ち直ってないくせに、自分と同じ様な体験はさせたくないって…

子供達の、精神的な支えになりたいんだって。


あはは…
そんな馬鹿、放っておける訳ないじゃない」


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