カナは、真っ直ぐな心の持ち主だ。
いつでも真剣に相手の事を考え、自分の出来る事を模索する…

それが例え、自分自身の何かを犠牲にしなければならなくても、決して迷わない。


そんな奴だ…

仔犬のダイとして四六時中一緒にいて、その思いは一層強くなった。



そんな事を考えていると、不意にカナが呟く事を止め立ち上がった。

一体今度は何が始まるのかと、焦って見上げる俺をよそに、手を伸ばして玄関にあるスイッチを押した。


数回点滅した後、部屋の灯りが点いた。

「お腹…空いたでしょ?」

俺を素通りしたカナはカーテンを閉め、キッチンに行き俺の食事を用意してくれた。


しかし、カナの表情は少しも晴れている様子はなく、逆に何かを決意した様に見えた。


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