翌日――


朝食を済ませると直ぐにカナの母親に、隣の市にある新幹線の駅まで車に乗せられて移動した。

俺は手荷物として、新幹線に乗車出来るらしい…


駅前のロータリーで母親と別れ、俺はカナにゲージごと抱えられて駅構内に入った。


カナは朝食中も車で移動中も、普通に笑顔で会話をしていたが、独りになると伏し目がちになり時折深い溜め息を吐いていた。

昨夜の言葉…
まだカナはどうすれば良いのか、結論が出ていないに違いない。


最近続いた数々の出来事が、カナを追い詰めていた事は十分に分かってはいたが…

俺が考えていた以上にカナは繊細で、自分の事よりも他人の事を真剣に思っているなど、想像していなかった。



しかしそれは、マンションに戻り独りきりになった後で嫌というほど分かる事になる――


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