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「遅くなるから」という理由で、カナの母親の行動は早かった。

カナが返事をした10分後には、既に俺が入れられゲージは運転席の後ろに乗せられていた。


カナが助手席に乗ると直ぐに車は発進し、高速道路のインターチェンジを目指した。

カナも母親も、久しぶりに会った親子であるにも関わらず終始無言で、車内は重苦しい沈黙に包まれていた…



俺は後部座席から、助手席に乗るカナの様子を確かめたが…

一体何を考えているのか、その表情からは全く読み取れなかった。


情緒不安定で精神的に脆くなっている時に、更に追い討ちを掛ける出来事。

今カナの頭の中は色々な思いが交錯し、整理出来ない状態に違いない。


これ以上カナに負担をかける様にならない事を、高速道路を走行中、俺はずっと祈っていた…


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