父親が倒れた？
そう言えば、父親が健康診断で再検査になったとかという話を、少し前聞いた様な気がする…
カナは暫く言葉を失っていたが、母親に聞き返した。
「そ…そんなに悪いの？」
母親は首を縦にも横にも振らず、ただカナを見詰めていた。
「ひとまずこれから一緒に帰って欲しいの。
仔犬用のゲージも持ってきたし、その為にワザワザ車で来たんだから…」
「え…
そ、そんな急に言われても」
明らかに動揺するカナ…
しかし、状況的には帰らざるを得ないだろう。
「うちも裕福ではないし、お父さんが働けなくなったら大学も…
これからの事について、３人で話し合っておかないとね」
「分かった…」
カナは暫く目を閉じた後、噛み締める様に返事をした。
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