病院に着くと、カナは玄関付近で俺を連れたまた挙動不審なほど、キョロキョロと周囲を見渡していた。
その行動の意味が分からずカナを見上げていたが、不意に背後から声が聞こえてその理由が分かった。
「佐倉、俺のメールを受け取ってもまだここに来るのか!!」
声のした方に振り向くと、慎一が鬼の様な形相で立っていた。
「何を言ってるのよ!!
あんたなんかを、私が選ぶと思ってるの!!」
さっきのメールは、慎一からだったのか。
「馬鹿だな…
だから大樹は、二度と戻っては来ないと言っただろ。
そんな奴を待つよりも、俺と一緒にいる方が絶対幸せだって。
俺ならずっと一緒にいてやれるから」
「ふざけないでよ!!
仮にも私は親友の彼女でしょ?
それを、入院している間に裏切って口説く人間性が嫌なのよ!!
この世にあんたと2人きりになっても、絶対に選ばない!!」
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