その日も朝食を済ませると、カナは病院に行く準備を始めた。
自分で言うのも変だが、様子を見る為だけによく毎日病院に行くものだ。
その時、テーブルの上に置いてあったカナの携帯電話からメール着信音が鳴り、ランプが点灯した。
カナは手を伸ばして携帯電話を取ると、画面を見て表情を歪めた。
誰からのメールなのかは分からないが、カナがこんな顔をする事は珍しい…
カナは手にした携帯電話を強く閉じるとそのまま鞄に入れ、俺にリードを着けた。
そして、
「行こうか」
と俺に向かって呼び掛けると、いつもの様に優しく笑った。
俺はまたカナに連れられ、病院に行く事になった。
マンションから外に出ると、今日は昨日とは違い曇り空で幾分涼しかった。
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