何だかその笑顔が儚げで、僕は心細くなって鳴いた。


カナは僕を抱き上げ一度ギュッと抱き締めると、外出する支度を始めた。

髪を整え、部屋の奥に備えられたクローゼットから洋服を取り出して着替えると…

ベッドに並べて置かれた窓際の机から、本を数冊取り出して鞄に詰め込んだ。


「午後の講義は、出席しないと単位が取れないから…
ちょっと行ってくるね。

良い子で待っててね」

「わん、わん!!」
(早く帰ってきてね)


僕は元気に返事をすると、カナが出掛ける時に用意してくれた牛乳を飲み始めた。

カナはそんな僕の様子を振り向いて確認すると、玄関から出て行った。


扉の鍵を締める音が室内に響き、僕は独りきりになった…

だけど昨日までの独りとは違い、孤独感は無かった。


必ず帰ってきてくれる人がいるから…


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