恋心に気付けても、私はなにもしなかった。
話してしまったら関係が崩れるだろうし、困らせるだろうと思ったからだ。

私はこの気持ちを抱きつつ、友達として一緒にいることを選んだ。

それは時を経て、大学生、社会人になっても変わらなかった。

樹も私もSNSやブログをやっていて、近況はチェックできる。
別々の大学を選んだことで、さらに樹が遠く感じたりした。
私以外の人などいなくなればいいとすら思った。
それほどの強い独占欲は今も変わらない。

だが、恋とは違うと、大人になって気付いた。
これは依存だ、と。
私が普通じゃないのだ。
勝手に嫉妬してる自分勝手なのだと考えるようにした。

私達は全員大人になって、歩む道もバラバラだ。
だが、時々会って遊ぶことが出来る。
それだけで十分だと考え、友達でいることが正しい選択だと今も思う。

あれはそう。
きっと若い時の思い出。

そう笑っていられるように、今もこれからも友達でいたい。


若き少女達の、ほんの一瞬の物語。