ドメスティック・エマージェンシー

電車で流れる風景は殺伐としていて乾いて見えた。

私の心はなんて冷めてしまったのだろう。
綺麗だと思うのに、感動をしなくなった。
わかるようで誰にもわからない心。

……そう、ゼロの心境と同じようなもの。
完璧には理解出来ない。

だけど、きっとゼロは《ありま》を殺すことで知らしめたかったのだ。
彼が確かに生きていたことを。

まだ生きているであろうかなさんの両親に。

いつの間にか終点に到着していた。
しばらくぼんやりとしていて気づかなかったが、動かないことに不審に思い外に出て辺りを見回すと昔何度も見た光景が広がっていた。