ドメスティック・エマージェンシー

大阪と言えばお好み焼きだろう、本場のお好み焼きを食して夜を待った。

ゼロいわく、ターゲットは居酒屋で働いているらしい。
仕事が終わるのは午前二時、家は……知らないみたいだ。
家につく前に殺す。
店の前で張り込みをする。

想像出来ていたことだが、気の遠くなる行為だと思った。

「ん、コーヒー」

「サンキュー。にしても、二時まで暇やな」

「……」

呆れて答えられず、黙っていると「お前だけでもホテル泊まったらどうや?」とゼロが提案してきた。

「俺はこんな身やし、ほんまは新幹線自体乗りたないんやけどまあそれはしゃーない。お前はまだいけるやろ」

これも答えられなかった。
なにか言おうにも、言葉が出ない。

そうだけど、あなたが見てろって言ったんじゃないか。
殺人鬼らしからぬ優しさ。

こんなこと、両親も有馬も言わなかった。
この人の方がなんて……人間らしいのだろう。