ドメスティック・エマージェンシー

「ねえ、ところでターゲットはどうやって探すの?」

駅を抜けてビルに囲まれた歩道を歩いている。
車が危なっかしく行き来しているのを見つめながらゼロに問うた。

「安心せえ。写メ貰たわ」

顔を向き合わすためにゼロが肩を叩いた。
その手に携帯が握られている。
それを受け取る。
画面には金髪の、いかにも怖そうな男が写っていた。

「それ、ターゲット」

「これは……」

「ん?」

――ありまなの?
とっさに言葉を飲み込んだ。

何故私が《ありま》という名前を知っているのか怪しまれるに違いない、そうなれば糸部のことも話さなければならない。
警察と繋がりがある、とは何となく言い難かった。

「何やねん」

「何もないわよ。こういう男が好みなのね」

「はあ?!そんな訳あるか!」

頭を小突かれ、誤魔化せたことに安堵しながらもゼロをジッと見据えた。