ドメスティック・エマージェンシー

「これが俺の本業や。お前の子守り役じゃない、殺人鬼の俺や。……見とけ、手伝うんやろ?」

ゼロの瞳が部屋の中に入った細い光を吸収する。
息を吐き出すのを忘れ、その瞳に魅入る。

殺人鬼のゼロ。
有馬を襲った時しか見たことのないゼロ。

しかし、あの時のゼロは――野獣のように殺しを楽しんでいるようで、蝶のように寂しさを称え美しかった。

あれが殺人鬼のゼロ。

私は操られたように頷いた。

ゼロが口角を上げ、私の頭を撫でた。

「ええ子や」

そうしてパソコンにもう一度視線を戻し目を忙しなく動かし始めた。

私はソッと自分の袖を握った。

……葵。

ふと、葵に会いたくなったのだ。