「何しているの?」

歩く道もなく、仕方なく服やゴミを踏んづけてゼロの横へ辿り着くと、パソコンを覗き込んだ。

見たことのある画面に息を呑む。

気付いてか、気付かずか、ゼロはパソコンを見つめながら「サイトや」と言ってのけた。

そのサイトは他でもない《狙われたサイト》

不思議な気分だった。
今、殺人鬼とサイトを見ているなんて。
前は遠い存在だった非日常が、現実となるなんて。

何となく居辛くなり、目を逸らすと「見とけ」と注意された。

何故。
問いただそうとゼロを見つめると、ゼロも私を見ていて視線がぶつかった。