「くすくすくす、ははっ」


「⁈」


なに、誰、なに⁈


恐る恐る振り向けば、


「!」


「…くすくす、さっきはどうも」


「香坂、先輩…」


まさかのー⁈


「なんで、どうして…」


いつから見てた⁈


「いや、帰ろうとしたら姿が見えたから…ティールームでのこと、謝らないとって思って…けど、…くくっ」


笑ってるよ、笑っちゃってるよ、この人。


失礼だな、でも、笑う顔初めて見た。


って、私は恋する乙女か!


さっき思い直したばかりなのに。


「……もう、笑わないでください…」


「ごめんごめん。…てか、お名前は?」


「あ、忘れてた。…向井姫です。高等部Sクラスの1年です」


「姫、ね。俺は香坂陸。同じくSクラスの3年。よろしく」


はい、何故か知ってます。


なんて言えないけど。


「…よろしくお願いします」


「ん、姫でいい?俺のことは陸でいいし」


「はい…………へ⁈」


「え、遅っ」


「名前で、ですか…」


「そ、だめ?」


「いや、だめとか、そんなんじゃ…」


「ならいいでしょ。…仲良くしようね?姫」


「………!」


「ははっ」


ははっじゃないよね⁈