バレンタインデーのプレゼントには……?

その放課後、あたしは慧太と一緒に高校から少し離れた街を歩いていた。





「お前、朝、顔真っ赤だったな?」


どうやら、もう“王子様”はいないようです。


「だ、だって……」


あの笑顔を思い出すと、また顔が赤くなる。


慧太が本当に朝のあの王子様だったら、どうなってたんだろう……?







学校のみんなは、あたしと慧太が付き合ってることまでしか知らない。


でも実は、あの王子様スマイルは作り物。


表の顔は誰にでも好かれる優しい王子様、でも裏の顔はドSで俺様。