アタシは見てしまった。





「一花、感情的に

なんのも結構だけど

近所の人にバレたらどうすんの。」


周りが見えて無かったみたいで

張り上げるような声を出してた

一花を睨みつけた。


「…………っーー」


しまったと思ったのか

すぐに口を手で抑えた。



「あたし、正直言って

一花なんてどうでもいいけど

一星が周りから変な目で見られたりしたら

許さないからね。」


あたしがそこまで言うと

一花は目に涙を浮かべてパタパタと

家の中へと入って行った。




「………………さすが奈々。」


後ろから光汰のクスクスとした

笑い声が聞こえた。