アタシは見てしまった。







21時まで歌って

カラオケから出た。


光汰とあたしは声がガサガサで

お互いの声を聞いて笑った。



「家まで送る。」


「え?いいよ。

すぐそこだし。」


「奈々も一応女だからね。」


光汰と遊んだ時は

お昼でも夜でも関係なく

絶対に送ってくれる。


「んじゃ、一応女だし

送ってもらう。」


そんなあたしを見て

光汰は笑ったけど




素直に“ありがとう”と言えないのが


あたしの悪いとこ。



でも、今こうして

笑ってられるのは


相手が光汰だから。