なのに一星はあたしとの手を
……………………………離さなかった。
離すと思ってた…………
一花に誤解されてしまうから。
「お兄……ちゃんと奈々ちゃんは
仲良し…………なんだね。」
昔から一花はそうだった。
はっきり言わないで遠回しな
言い方をする。
自分が傷付かないように。
「…………………なんで?」
無言の一星を放っておき
ニッコリとあたしは笑った。
「え?………だって、………その…」
もじもじする一花を見て
あたしの中の悪が
また出てくるような気がした。
自分で言って傷つけばいいのにと
思ったけどあまりに遅かったので
あたしが言ってしまった。
「あたしと、一星が、手繋いでるから?」

