アタシは見てしまった。





「付き合ってるよ。」


そう微笑んだ一星の笑顔も

やっぱり作り笑いだった。





「へー、そうなんだ!

あたし達応援するよ。」



女の子達は騒ぎまくって

チャイムが鳴ると消えていった。




「おはよう、一星。」


「おはよ。

今日大丈夫だった?」


「何が?」


「学校1人で行っただろ?」


「心配し過ぎだよ。大丈夫。」


いつも一星はあたしが

1人で登校すると聞いてくる。


でも、本当は一星のその優しさが

嬉しくもあり悲しくもあった。


一星を好きになるのやめようと思っても

一星があたしのことを

また好きにさせるから。