アタシは見てしまった。





これだから“女子”っていう枠に

あたしは入らないんだろうと思った。



「付き合ってるの?」


「うん。」


それでもあたしは作り笑いで

微笑んだ。



と、丁度その時

一星が教室に入ってきたから

女の子達はキャアキャア騒ぎまくった。




「一星くん!奈々ちゃんと

付き合ってるの?」


あたしの時とはまた違う声で

一星に話す子に本当に腹が立った。



あたしと話した時よりも

少し高い声で話す意味が

分からなかった。



あたしと一星は付き合ってるんだよ?


なのに一星の前でまだ

ぶりっこするの?


なんて黒い感情が少し湧いていた。