アタシは見てしまった。




あたしと光汰は

結局授業をサボった。




最後の授業のチャイムが

鳴ったと同時に

光汰に手を振り屋上から出た。




クラスに行って一星の鞄を見たら

もう無かった。



帰ったのかな?


いや、でもいつも一緒に帰るから

用事があるなら連絡あるし………。


1人唸っていると頭に手を置かれた。



「奈々。」


「一星!どこ行ってたの?」


「屋上行って奈々探してた。」


“入れ違い”と付け加えて笑う一星は


もう、あたしの好きだった頃の


……………………顔では無かった。





あたしにどんな悩み事があっても

一星の笑顔一つで吹き飛んでしまうのに。



今はもう、そんな笑顔じゃないね。





その笑顔を変えてしまったのは







………………………………あたしの、せい。