その会話をこっそりと聞いていた狼は、紅ずきんが家から出てくるのよりも早く駆け出しました 口からはベトベトとした涎をたらし 黒くよどんだ牙を出し 木々を意図も簡単にすり抜けて行きました そしてとうとうお祖母さんの家に着くと、軽く扉を叩きました 「だぁれ?」 中からお祖母さんが尋ねると、狼は声色を変えて答えました 「私よ、紅ずきんよ」