風が吹く。 二人の髪を緩やかに靡かせる柔らかな風が。 会話はありません。 ただ、その目に奪われる光景に見入っていたのです。 いつまで、そうしていたのでしょう。 遠くから聞こえてくるのは、学校のチャイムです。 それを何度か聞き流し、落ち着いた頃、 どちらからともなく二人はその場を離れたのでした。