「あっち、空いてる」
中村くんの言葉にハッとして、
彼の指差す方向を確かめる。
「あ、ホントだ。
じゃあ、私、席取っておくから中村くん何か注文してきたら?」
「ヒロコは?
ヒロコも弁当ないんじゃないのか?」
え?
どうしてわかるの?
私、今日はお弁当じゃないって言ったっけ?
「どうして…?
私言ったっけ?」
すると彼はくすっと笑って言った。
「だからヒロコのことはなんでもわかるんだって」
うわ。
なにそれ。
そんなセリフ
そんな爽やかすぎる笑顔で
そんな私の方見て
言うとか?
心臓に悪いって。
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