「え?え?
それはないってば!」
私の考えを察して慌てて彼女が答える。
由美子の焦る姿が可愛くてついからかいたくなるんだなあ。
もう先輩も3月で卒業になるんだから頑張ればいいのに。
「うん…、ホント、ない、
ないから…」
「そんな否定しなくても…。
変なの、由美子」
「あ、そうかな?
…えっと、
ほら、もうすぐチャイム鳴るよ?
先生来る。
早く席に戻らなきゃ」
そう言って彼女は話をそらせる。
変なの、
好きなひとの話してるんだからいいじゃん。
それとも恥ずかしいのかな?
「うん、じゃね」
確かに由美子の言うとおり、
時計を見ればあと数分でチャイムがなりそうだし。
そして
席に戻る途中で中村くんに話かけてた女の子たちとすれ違う。
なんの話してたのかな、
ちょっと気になったりして。

