「伊藤さんっ!!」
突然、大きな声で先生に呼ばれる。
わっ!!
「さっきからなにコソコソ話してるのっ!」
しまった!
今は数学の授業中だったんだ。
「私の授業を聞いてないっていい根性してるわねえ」
そう言って先生はニヤッと笑う。
う。
嫌な笑いだ。
私はなんて言っていいかわからず、
ただ苦笑して応えるだけしかできない。
「じゃねぇ…ここまではわかった?
教科書の左下の問6できる?」
問6…?
先生に言われて確認すると、
ひぇー。
……こんなのできるわけないでしょ。
ただでさえ数学超デラックススペシャル的に苦手なのに。
私は立ったままなんて誤魔化そうか考える。
あー、もう、中村くんの手前もあるし。
カッコ悪いなあ。
「………これにaの3乗かけて…」
ん?
隣から小声が聞こえる。

