「なに、 やってたの?」 「え?」 あ、そうだ。 私、散らばった楽譜を集めて…。 「楽譜を…」 床に散らばったままの楽譜を指差す。 「ああ、これ?」 そう言ったかと思うと、 彼はその場に行き楽譜を全部拾い上げる。 「あっ、それ違う曲があって、 それで順番もばらばらで…」 でも彼は私の言葉を無視して楽譜を束にして凝視し、 それからぺらぺらと本のページをめくるような仕草をする。