「よくそれで見つけられたね」 私は感心しながら由美子を見る。 「うん、たまたま。 電車で寝てて間違って慌てて降りて…。 時間もあったしせっかくだからふらふらしてて見つけたんだ」 「へー」 「ケーコに教えたら喜ぶだろうなって」 わ、そんな風に言ってもらうとすごく嬉しい! 「早く、行こう!」 そのとき。 …………………? あれ? 今、風? …とすれ違ったような? 風とすれ違うって変だけど。 でも確かに。 私はふと立ち止まる。