そして―――。 出逢ったのがヒロコだった。 吹奏楽部の部室で会ったとき、 あの住宅街ですれ違った彼女だったと、 直感的に思った。 まっすぐに正直に、 驚いた瞳をこちらに向けた彼女が。 そのときなぜか彼女なら自分のことを理解してくれるかもしれない、 そう思った。 ファンタジスタは彼女かもしれない、と。 彼女のことを知りたい、 そう願い、 その瞬間から彼女の思いが自分に伝わった。