あの男性からそんなことを言われたけれど、
相変わらず、
日々に変わりはなくて。
でも。
それでも…。
彼の言葉を信じ、
最後の頼みの綱として両親に転校したい、
と言おうと思った。
リセットしてみようと思った。
この
「迷宮」
から抜け出せるかもしれない。
それなら…、
あの男性と出会った街の近くにある学校に、
どこでもいいから。
でもこんな理由ではどこの学校へ行きたいのか、
それでなくても土地カンのない場所、
どんな学校があるのかさえもわからない。
聞かれたところで学校名なんか答えることができない。

