…男性か? 自分の父親と同じくらいの年齢。 背が高く、 影が頼りなく感じるが、 でもがっしりとした体つきのせいかあまり弱々しい印象はない。 彼は何かを持っているようにも見えたが、 いくらじっと見てもはっきりとはわからない。 逆に見れば見るほどその持っているものも、 人物もぼんやりとしてゆくようだった。 やがて、 そのひとは俺に気付いてこう言った。 「…君には僕が見えるんだね?」 不思議なことを言うひとだな、 と思った。 それが最初で最後に会った、 「彼」だった。