「彼」と出会ったのはそんなときだった。
2年の初夏近くの頃。
「なんの楽しみも見つけることができなくて。
いいえ…、
楽しみを見つけることなど必要ないんじゃないだろうか、
最近よくそんなことを思います」
研究所に定期的に通う、
その日、
処置が終わってから先生に話した。
親御さんの思いを無にしてはいけない、
とそう言った先生に。
パソコンにデータを入力する手を止めて、
俺の方を見た彼はくすっと笑った。
「そんなに神経質に考えることはないよ。
再生を望んだのはご両親で再生させたのは僕達だけど。
でも君の人生なんだ。
自由にしてもいいんだよ」
「それは…」
そこまで言いかけて先生から目をそらす。

