欺いてゆくことがこんなに疲れるものとは。
「いや、いい」
「え?」
「そういうのはいらない…、
ああ、違う、
最近はずっと忙しいから」
表情を隠しながら、
丁寧に気付かれないにように、
断ったつもりだった。
「少しでいいからさ。
せっかくの主役なんだから!」
それでも声をかけてくる。
もう気遣わないでほしい。
そんな気遣い、いらない。
放っておいてほしい、
どうか。
もう話しかけないでほしい、
そう思った時、
「………!!」
誰かが俺の肩に触れる。
「は…離せっ!!」
思わずそう大声で言ってその触れた手をパンと叩く。
一瞬で教室が静まり返る。

