そう聞きたかったけど
返ってくる答えが怖かったのか、
今の状態がどうなっているのかを、
知りたくなかったからか、
「…身体が軽くなったように感じるのですが?」
そんなこと、聞いた。
すると彼は笑いながら、
「……治ったんですよ」
穏やかにそう一言だけ答え、
持っていたペンを白衣の胸ポケットに戻す。
嘘だ、と一瞬でわかった。
俺は無意識に、
黙ったまま、
彼をじっと睨みつけた。
「……もともと、優秀な中村くんには、
そういう答えは通じませんでしたね」
は、は、と笑いながらこちらに近づき、
でも
その表情は一瞬で真剣なものとなる。
「………」
そしてそのままの表情で信じられないような言葉を発した。

