「いいよ、 私やっとく」 私は別に用事ないし。 由美子って余計に忙しくなったみたい。 「ホント?」 「うん、 だからあとは私がやっとくから」 「ありがとう! 助かる」 そう言いながら彼女は黒板の上の時計を確かめて、 慌ててかばんを手に取る。 「じゃあね!ばいばい!」 「うん、ばいばい、 お疲れー」 ガラガラ、 とドアが閉まる音がして、 それまでにぎやかだった教室が一瞬にして静かになる。