あー…………。
この状況のせいか、
ついさっきまでの出来事が、
すごく遠いところの出来事に思えてしまう。
なにも答えない私に彼女はくすっと笑う。
「そうです、
なんて言い難いわよね?
いいのよ?
変わってるって言ってくれても。
だって和彦はひとであってひとでないんだから…」
え…?
今、さらっとなんかすごいこと言わなかった?
ひとであってひとじゃないって…。
どういう意味?
なんか、
そんなふうに言われたら。
今の状況と合わせても…。
ロクでもない事しか、
浮かんでこない。
そして
自分の手のひらが震え、
汗でじとっとしてきているのがわかった。
自分の心臓がさっきよりも、
どきどきと鳴っているのがわかった。

