……。
えーっと、
こういう時って何から話せばいいのかな。
「アナタ、あのとき、
確か…学校で…」
ゆっくりと彼女の方から話しかけた。
キレイな落ち着いた声で。
さっき取り乱していたひとと同一人物とは思えない。
「私…、中村くんと同じクラスの、
伊藤啓子です」
「そう…、
私は和彦の…母親です。
ああ、そう言えばアナタ、
…あのとき和彦と一緒にいた生徒さんですよね?」
そう言われ、
このひと、
あのときも気付いてたんだって思った。
そして
私も食堂に行く途中、
こちらを見ていたひとだと確信する。
「…はい」
「いつも息子と仲良くしてやってくれて…
ありがとう…。
アナタと一緒にいる…、
明るい表情のあの子を見たのは本当に久しぶりで…」
「あ、いえ、私のほうが…
いっつも助けてもらってて。
あの、それより…」
そこで私は言葉を止めた。

