「…行こうか」 「あっ!うん」 私は我に返り、 慌てて彼から離れ体勢を整える。 彼はそんな私にくすっと笑う。 でも一瞬、 顔を歪める。 「っ!」 「どうしたの?大丈夫?」 よく見れば彼の手の甲に擦り傷。 さっきので…。 私は慌ててカバンにたしか絆創膏があったことを思い出し取り出そうと。 「大丈夫、…大丈夫だから」 でもそう言って彼は私を制止した。 「そう…?」 「それより、遅くなるから早く帰ろう?」 「…うん」 そして 私たちは再びゆっくりと歩き出す。